花粉症の治療方法のとして
注射によっておこなう減感作療法というのがあります。

あまり耳にすることのない療法ですが、これは一種の免疫療法(ワクチン)です。

患者のアレルゲンをほんの少しずつ体内に入れ、徐々に増やしていくことで、
アレルゲンに対する過敏な反応を減らしていこうというもの。

主にスギ花粉症の人に対して行われています。

減感作療法は、麻疹や水疱瘡などのワクチンとは違い、
1度注射するだけですむというものではありません。

花粉が飛び始める1ヵ月前くらいから注射をスタートし、
週に1、2回の定期的な皮下注射を、花粉が飛んでいる間中続けます。

花粉の飛散が終了したら、1~2ヵ月に1回と注射の回数を減らします。

再び花粉症の季節が到来したら、飛散の1ヵ月くらい前から毎週注射をします。

減感作療法は、花粉症を克服するには、とても有効な手段であると言われています。

しかし、効果が現れるまで数ヵ月かかり、
症状が安定するまでにはさらに数年の歳月を要します。

その間ずっと注射を打ち続けるわけで、
注射嫌いの人には抵抗があるかもしれませんね。

しかし、うまくいったら薬が不要になったり、注射を大幅に減らすことが可能です。

ただ、この療法は一つのアレルゲンにしか対応しておらず、
複数アレルゲンがある人には効果がありません。

また、誰にでも効果があるとは言えず、
結果がわかるのは数ヵ月とか数年後になるため、
効果が現れなかった場合、それまでの治療は無駄ということになってしまいます。

以上のようなことを考慮し、減感作療法を行うかどうか決めるといいでしょう。

なお、近年は数は少ないですが、舌下減感作療法を行っている病院もあります。

何れにしても花粉症等のようなアレルギーの治療には、
多くの時間がかかるようですので、根気づよくつきあっていく覚悟が必要ですね。